“ブラック企業”と聞くと、それだけでその会社で働くのは嫌だなと思いますよね。
昨今、「長時間労働」「サービス残業」「パワハラ」「モラハラ」など、色々な労働問題が浮き彫りとなる企業が多々あります。
そのような違法労働をさせる企業の腹黒さの例えからか世間では
“ブラック企業”
と呼んでいます。
これは転職を考えている人だけではなく、普通に働いている人、学生など誰でもその実情が気になるところ。
特に転職しようと思い求人票をみても、
“うちはブラック企業です”
と素直に書いている企業はありません。
しかし求人票をよく見ることで
“これってもしかするとブラック企業かも？”
と疑って転職候補から外すことができます。
ちょっとした心がけで転職に失敗することはかなり低くなりますよ。
私自身も仕事柄、求人票を作成したりチェックすることをしているので、そこを踏まえてブラック企業を見極める求人票の読み方をお伝えします。
ブラック企業を見極める求人票の読み方とは？
求人票は真面目に記載している企業もありますが、詳細は書き込まれていないため面接に行ったら「求人票には記載していない条件があった」ということも。
もちろん面接で気づければいいですが、入社後に気づいてしまったらあとの祭りです。
そうならないためにも求人票から読み取れるブラック部分がある企業はなるべく避けて転職活動をしたいものです。
では早速チェックしてみましょう！
求人票の目立つ所に【未経験歓迎】という記載はブラックのニオイが
求人票タイトルや仕事内容の部分に【未経験歓迎】という文字を見かけることがあります。
未経験歓迎、簡単なお仕事です♪
という募集は“誰でも出来る”というイメージを求職者にさせるわけですが、どうしてそんな誰でも出来る仕事で正社員を募集しているのか考えてみてください。
本当に簡単であれば賃金の低いアルバイトやパートで募集をしても、引く手あまたのはず。
それなのに正社員で募集があると言うことは、下記のような理由が考えられます。
例えば
- ノルマがある
- 厳しい社内ルールがある
- 職場環境に問題がある
このような状況が考えられます。
パッと見るとハードルが低そうな求人ですが、仕事内容が記載されていない、イメージが沸かない、自分の今の仕事と繋がらない場合は慎重になった方がいいでしょう。
求人票の雇用形態は必ずしも正社員ではない
求人用には雇用形態、試用期間が記載されます。
だいたいは３つに分けられており
- 正社員（期間の定めなし）
- 契約社員・嘱託社員
- アルバイト・パート
と、雇用形態によって、雇用された時の安定度、給与、待遇、有給休暇の有無などが決まります。
条件が良いなと思っていると、実は正社員ではなく契約社員だったなんてこともあります。
全ての求人票が正社員ではないということ、同じ企業でも正社員と契約社員だと待遇が違うこともあるということは認識しておきましょう。
有期雇用か無期雇用か、試用期間のチェック
正社員でも入社前の数か月間を有期雇用にしている場合があります。
また入社から数か月間は「試用期間中は契約社員とする」という表記のものもあります。
これはとても微妙な部分ですが、会社によっては転職者は必ず正社員採用でも契約社員または臨時従業員として３か月働いて様子をみてから正社員に登用するという手順を踏んでいることもあります。
その３か月間の給料や処遇は正社員と同条件など、この部分もしっかりと確認するべきでしょう。
悪質な会社であると３か月の試用期間で雇用を見送ったり、もう３か月などと条件をつけて正社員への登用をチラつかせて契約社員などの条件で働かせることもあるようです。
求人票内に勤務先がしっかり明記されていないのはブラックかも？
正社員として採用されていても、他企業に派遣、出向する場合があります。
これはＩＴエンジニアをはじめ、コンサルタント業などで時々ある業務形態です。
色々な企業に行って仕事をしたい人には向いていると思いますが、まず採用された本社機能で働くわけではないので、本社で働きたいと考えている場合は確認する項目だと言えるでしょう。
通勤時間が長すぎるので自宅近くに本社がある○○会社に転職しても、入社から１週間だけ本社で研修を受けるだけで、その後は取引先の△△会社で勤務で、通勤が１時間以上かかるなんてことも…。
勤務地がしっかり書かれていない場合は要注意です。
求人票内に「転勤の可能性あり」というのは気を付けるポイント
本社勤務、もしくはその都市や地方で働きたいという働く場所にこだわった転職を希望する人は求人票内の「転勤の可能性あり」という明記に注意しましょう。
実際に私が働いていた前の会社では求人票では本社勤務で働くことが前提だけれども「転勤の可能性あり」というものがありました。
正社員、総合職の場合は求人票に「転勤の可能性あり」と表記されているものは多いです。
そのため転勤があることも踏まえて入社しているとは思いますが、実は中途採用の求人票を作成する時から本社勤務ではなく半年後には支社勤務（田舎町）になる可能性があることがある程度決まっているというものも。
ただこの場合は本当に可能性の部分なので、会社としても不明瞭のため転勤の可能性ありという表記だけをしていることもあるのです。
転勤の可能性ありと求人票に書いているのでブラック企業ではないかもしれません。
しかし支社勤務の可能性も否定できないことを面接時に案内しないということであれば、個人的には悪い可能性は隠す社員想いではないブラック企業の場合があると言えるでしょう。
厚待遇手当はブラック企業の可能性あり！
待遇の部分に○○手当、○○手当とたくさん羅列している求人票を見ると「この企業は手当も充実していて良さそう！」と思いがちです。
確かに大手企業や有名企業となると、たくさんの手当てがつくこともあります。
ただわざわざ求人票に書く必要もないような、基礎的な手当を記載したり、ほとんど使えないような手当を記載している場合も良くあります。
残業手当・休出手当・育休手当などは社会の制度上なくてはならないものです。
書いてなくても当たり前なので、このように社会上当たり前の制度は待遇とは別と考えるようにしましょう。
基本給が低く手当が多いのは要チェック！
手当てが多く、基本給が低い場合はチェックが必要です。
基本給はあくまでも基本給。
１か月、あなたが働けば税金などを引かれて必ず手元にもらえる金額が一定しているものです。
これとは別に残業や休出、住宅手当など、基本給以外に変動して１か月に手元に入る可能性があるものが手当です。
翻せば手元に入ってこない可能性もあるものなので、基本給の低さはチェックする大切な項目なのです。
住宅手当などは社内規定により数年でなくなったり、残業等も必ず決まった時間残業が出来るとは限りません。
手当てが多ければ基本給は低くても大丈夫？
転職を考える時に年収を計算することがあると思いますが、この場合気をつけるパターンがあります。
それは残業代や賞与の金額をを計算する時に手当てとして支払われている金額を含まないことがあるのです。
賃金の計算には基準外賃金と呼ばれるものがあり、家族・住宅・通勤手当と言われる手当は残業や休出代金の計算をする際には含まなくて良いのです。
そのためこの考え方を賞与に当てはめるとすれば…
例：基本給２０万・家族手当５万・通勤手当５万・賞与３か月分
普通に計算すると、月収３０万×１２か月＝３６０万
＋賞与２０万×３＝６０万
よって年収４２０万
ただこの手当が基本給に入っていれば、年収は３０万円ほど多い計算になるのです。
こうやって基本給を下げ、手当として支給することで社内全体の給与支払いの金額を下げている会社も多いと考えられます。
このように手当というのは必ずしもあなたの給料が多くなるためではないということも言えるのです。
また更に悪質なケースでは、毎月の支給額のほとんどを「手当」にして基本給が低いこともあるようです。
このような会社はブラック企業の可能性が高いでしょう。
色々な表記があるのでこれとは言い切れませんが、他の求人とはるかに基本給が低いのに年収表記が高いものは警戒するのに越したことはありません。
また、みなし残業・インセンティブを含むという表記がある会社も、その会社の信用度合いによっては転職先の候補から外して良いと考えられます。
どうしても働いてみたい企業の給料表記がこのような場合は確認してみるといいでしょう。
やっぱり美味しい求人票条件にはワケがある
誰が見ても働きたい！と思えるような条件があっても、どうして求人が出ているのだろう？と思うことがありませんか。
それは、はやり残念ながら理由があるということです。
良くあるのが、
- 入社時に祝い金を○○万円支給！などと入社時にボーナス
- １か月欠勤がなければ更に○万円！
というものです。
普通に入社するだけなのに１０万円以上の入社時ボーナスや、普通に１ヶ月出勤するだけで給与に＋αなんて良い会社なんだと思う人も多いのですが、これは工場勤務などあまり人気のない業務に多い条件です。
工場勤務は特に２交代・３交代などの勤務時間の不規則や立ちっぱなしでの重作業が応募者を遠ざける理由と言われています。
他にも○○業界はイジメが多いなどと一般的なイメージが悪いため応募者が少ないところにこのような条件が付いていることが多いのです。
このような求人はとにかく人手不足！ということのため、あなたの経験やスキルではなく人員として必要とされるでしょう。
美味しい条件がある企業には、やはり訳があるということを頭で理解しながら求人票を読み解いていきましょう。
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